御神渡りを見物する人たちでにぎわう諏訪湖畔=下諏訪町東赤

御神渡りを見物する人たちでにぎわう諏訪湖畔=下諏訪町東赤

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御神渡りに沸く諏訪湖畔 宿泊施設に誘客効果

信濃毎日新聞(2018年2月4日)

 諏訪湖の氷が割れてせり上がる「御神渡(おみわた)り」が5季ぶりに出現してから初の週末となった3日、湖周は氷の筋を一目見ようと県内外から訪れた観光客でにぎわった。湖面はほぼ雪に覆われ、氷の筋(亀裂)は見えにくかったものの、観光客は双眼鏡で行方を追ったり、記念撮影したり。湖畔の宿泊施設には御神渡り出現後に予約が入るなど、誘客効果も出始めている。

 諏訪郡下諏訪町の湖畔から眺めていた大阪府岸和田市の会社員、青木努さん(45)は「冬の諏訪湖は初めて。神秘的な雰囲気で感動した」。三重県伊勢市の北本憲良さん(64)は諏訪市に住む孫と同市豊田の湖畔を訪れ、「雪が広がる御神渡りも趣がある」と見入っていた。

 一方、湖の眺めが良い場所近くの道路では渋滞が発生。湖面の向こうに八ケ岳連峰も眺めることができる岡谷市湊では、県道岡谷茅野線「小田井」交差点近くに長い車列ができた。岸辺の空き地は車で埋まっていた。

 地元の観光業者は「御神渡り効果」に期待を高めている。諏訪市の旅館「浜の湯」は、2日の宿泊客のうち10組は御神渡りが出現した1日以降の予約客という。担当者は「御神渡り効果が続いてほしい」。近くの「ホテル紅や」にも、御神渡りや宿泊に関する問い合わせが増えている。

 下諏訪町諏訪湖博物館・赤彦記念館は3日、休館予定だった5日に臨時開館し、5〜10日の入館料を無料にすると発表。同館2階からは、湖上を大きく蛇行する筋「一之御渡(いちのみわた)り」を一望できる、とPRしている。

 諏訪の3日の最高気温は5・6度と比較的暖か。岸近くは雪が解けた水が氷上にたまり、不安定になっている場所も目立つ。氷が割れて湖に落ちる危険性もあるため、県諏訪地域振興局などは氷上を歩かないよう呼び掛けている。

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