膳を供え、田の神様をもてなす田中さん=珠洲市若山町火宮

膳を供え、田の神様をもてなす田中さん=珠洲市若山町火宮

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「雪は豊作のきざし」 奥能登で「あえのこと」

北國新聞(2018年2月10日)

 奥能登で9日、田の神様を家から送り出す農耕儀礼「あえのこと」が行われた。国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産となっている儀礼の伝承者は、例年にないほど雪が積もった水田に、人間の目には見えない神様を導き、「雪は豊作のきざし」と今季の実りに期待した。
  珠洲市  
 珠洲市若山町火宮、団体職員田中茂好さん(66)方では、裃(かみしも)姿の田中さんが、夫婦神(めおとがみ)の宿る若松の枝を積雪約1メートルの水田に立て、「今年も良い収穫がありますように」と願った。
  輪島市  
 輪島市白米(しろよね)町、県職員川口喜仙(よしのり)さん(53)方では、目が不自由な夫婦神を風呂場に案内し、輪島塗の膳に盛り付けたおはぎ、煮物などの料理を供えた。「雪の中、気を付けておいでくださいませ」と近くの棚田に導き、神様が宿る一対のアテの葉を立てた。
  能登町  
 能登町柳田植物公園の古民家「合鹿庵(ごうろくあん)」では、県内外の観光客約20人が見学に訪れ、田の神様をもてなす所作に目を凝らした。農業中正道さん(66)=同町上町=が主人役を務め、あえのことの神事について解説しながら、神様を送り出した。
  穴水町  
 穴水町藤巻では、農業森川祐征さん(78)が田の神様に風呂で温まってもらった後、床の間に案内し、尾頭付きのタイや煮しめ、大きなおはぎ、果物など山海の幸でもてなした。

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