初仕込みとなる日本酒造りで、タンク内を丁寧にかき混ぜる杜氏=福井県小浜市中井の小浜酒造

初仕込みとなる日本酒造りで、タンク内を丁寧にかき混ぜる杜氏=福井県小浜市中井の小浜酒造

福井県 敦賀・若狭

小浜唯一の地酒「わかさ」仕込み本格化 杜氏、作業に精

福井新聞(2018年2月18日)

 福井県小浜市内で唯一の地酒「わかさ」などを引き継いだ酒造会社「小浜酒造」で、初めてとなる日本酒の仕込みが本格化している。石川県から招いたベテラン杜氏(とうじ)らが連日、作業に精を出し、3月には"新生わかさ"が出荷される予定だ。

 「わかさ」は同市木崎にあった老舗酒造会社の廃業に伴い、新たに設立された「小浜酒造」が同市中井に拠点を置いて酒造業を引き継いだ。市の企業振興助成金(4分の1助成)の採択も受けて古い酒蔵などを再整備し、日本酒造りの準備を進めてきた。

 年明けからは、この道五十数年という能登杜氏の坂頭宝一さん(87)=石川県珠洲市=が住み込みで作業に当たっている。

 蔵では、坂頭さんらが蒸した酒米を麹(こうじ)や水と一緒に真新しいタンクに入れ、ゆっくりと櫂(かい)でかき混ぜる作業に当たっている。温度調整しながらさらに熟成。間もなく搾りが始まり、3月には小売店や卸売店に初出荷する。

 今冬は「上撰わかさ」のほか純米酒や地元から製造委託を受けた地域種5種も仕込んでいく。坂頭さんは「地酒復活を求める期待にこたえられるように努めたい」と話し、小浜酒造の吉岡洋一社長は「腕の立つ杜氏さんの下で、小浜らしい良い酒を出し、地域の人に喜んでもらいたい。今後は酒蔵の見学や体験会なども企画していきたい」と話していた。

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