「能楽の里」として知られる福井県池田町の能面美術館で、本年度新設した第1回全国創作面公募展の入賞作品展が開かれている。能楽の原点に返って能面師が創意工夫を凝らした12点が並び、喜び、悲しみ、嫉妬など複雑で豊かな感情を伝えている。2月26日まで。
同町と町教委は本年度、能面師が曲の意味を考えて作る創作面を初めて募集した。能楽創生期の面を手本に作る「写し」が主流とされる能面世界において、能面師が自ら考えて打つ創作面の公募展は画期的という。全国から36点が寄せられ、12点の入賞作品を決めた。
最優秀賞に輝いた水谷靖さん(東京)の作品「山姥(やまんば)」は見開いた目や高く出た頬骨、大きく開いた口が印象的。遠くを見つめるような女性の面「巴」、平らで幅広いくちばしの「鶏」もある。
写しの技術を競う第16回全国新作能面公募展の入賞作品展も同時に開かれ、40点が並んでいる。
開館時間は午前10時~午後4時(土日祝は同5時まで)。入館料は大人300円、小中学生200円。