東京国立博物館は21日、7月に始まる特別展「縄文―1万年の美の鼓動」の報道発表会を東京・上野の同館で開いた。縄文時代の土器や土偶を集め、茅野市出土の「縄文のビーナス」「仮面の女神」の土偶2点など縄文の国宝全6点が初めて一堂にそろう。1万年にわたる壮大な「美のうねり」を体感してほしい、としている。
国宝はほかに「中空(ちゅうくう)土偶」(北海道函館市)、「縄文の女神」(山形県舟形町)、「合掌土偶」(青森県八戸市)、火焔(かえん)型土器(新潟県十日町市)。国宝以外は、伊那市の深鉢(ふかばち)形土器、上伊那郡南箕輪村の重要文化財尖頭器(せんとうき)を含め、全国から出土した約200点を展示する。
同館の品川欣也(よしや)主任研究員によると、縄文時代の出土品が国宝指定されたのは1995年の「縄文のビーナス」が最初。近年は若い女性に土器や土偶が「かわいい」と評されることもあるとし、「研究者ではない一般の人に、新たな縄文の美を発見してもらいたい」と述べた。井上洋一副館長も「縄文の人々の持続可能でエコな生活スタイルに学ぶべきことは多い」と話した。
特別展は7月3日〜9月2日。国宝全6点がそろうのは7月31日以降。観覧料は一般当日1600円(前売り1400円)。