信州ゆかりの現代美術作家による展覧会「シンビズム」が24日、県内4施設で始まる。県内の美術館など20施設の学芸員らの推薦で決まった作家20人の計約600点を出展。交流する機会の少ない学芸員同士がつながって知識の共有や向上を図り、県全体の美術振興につなげようと、初めて共同で企画した。
県と県文化振興事業団の主催。信濃毎日新聞社など共催。各会場では、それぞれ作家5人の作品計50〜400点ほどを展示する。
長野市の信州新町美術館では、ガラス張りの開放的な施設の特徴を生かし、ステンドグラス作家のナカムラマサ首さん(東京)による高さ5メートル、幅1メートルほどの大作を展示。長野市で作品展を開くなどの活動をしており、自身で最大規模の作品という。
諏訪市美術館は、約14メートルに及ぶ日本画が描かれた巻子(かんす)を展示。御料館(木曽郡木曽町)は館全体を展示会場として扱い、普段は使わない地下室など作家が選んだ場所に作品を置く。丸山晩霞記念館(東御市)は東京の高層ビル群を撮影した写真を縦90センチ、横4メートルの迫力あるサイズで飾る。
信州新町美術館学芸員の前沢朋美さん(46)は「見た人の気持ちを引き込むような作品を手掛ける作家が、県内で活動していることを知ってほしい」と話している。
丸山晩霞記念館では24日午後1時半と6時から、南佐久郡小海町出身のアニメーション映画監督新海誠さんの作品「星を追う子ども」と「秒速5センチメートル」の上映会(参加無料、定員60人)を企画。25日午後1時半からは、学芸員らによるギャラリートークがある。諏訪市美術館では24日午後2時から、写真家阿部祐己さんのスライド上映会とトークイベントがある。
4会場とも3月18日までで、午前9時〜午後5時(御料館は午前10時から、信州新町美術館は午後4時半まで)。月曜と、祝日の翌日は休館(丸山晩霞記念館のみ無休)。入場無料。