炎に照らされる中、遠敷川に御香水を注いだ「お水送り」=2日午後9時ごろ、福井県小浜市下根来の鵜の瀬

炎に照らされる中、遠敷川に御香水を注いだ「お水送り」=2日午後9時ごろ、福井県小浜市下根来の鵜の瀬

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伝統「お水送り」春告げる 福井国体向け採火も

福井新聞(2018年3月5日)

 若狭地方に春の訪れを告げる伝統行事「お水送り」が2日夜、福井県小浜市神宮寺の若狭神宮寺や同市下根来(しもねごり)の「鵜(う)の瀬」周辺で厳かに営まれた。たいまつや護摩壇の炎が揺れる中、遠敷川に御香水(おこうずい)が注がれた。今秋開かれる福井国体でともされる炬火(きょか)の採火も行われた。

 午後7時ごろ、若狭神宮寺境内で大護摩法要が行われ、大護摩の火が移されたたいまつを持った一行が出発。凍えるほどの寒空の下、千人を超える行列が約1・8キロ先の鵜の瀬に向けて連なった。

 午後9時ごろ、山河尊聖(そんじょう)住職らが遠敷川の対岸に渡り、幻想的な送水神事が営まれた。御香水が川に注がれると、大勢の見物客から歓声が上がった。

 続けて炬火採火式が行われ、護摩壇から採った神聖な火を移したたいまつが、松崎晃治小浜市長に手渡された。

 鵜の瀬で注がれた御香水は遠敷川を通り、奈良・東大寺の二月堂の井戸「若狭井」に届くとされる。12日に二月堂で行われる「お水取り」でくみ上げられる。

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