飯山市は4月、地元の旬の食材を使った料理を提供する店を紹介し、地元食材の魅力を伝える「飯菜(いいな)食堂プロジェクト」を始める。市内の飲食店約20店が参加する計画で、特産の食材7種類の看板を作り、各店が提供する食材の看板を入り口に置くことで、客に分かりやすくアピールする。市農林課は「飯山の食材の良さを知ってもらい、地産地消を進めたい」としている。
7種類の食材は「菜の花(野沢菜)」「アスパラ」「ズッキーニ」「キュウリ」「トマト」「ナス」「キノコ」。看板は15センチ四方で、製作には市内の仏壇店や工芸職人らでつくる飯山仏壇事業協同組合と内山紙協同組合が協力した。食材のイラストは、市内に研修施設がある文化学園大(東京)の学生が、飯山地方特産で国の伝統的工芸品の内山紙に描いた。看板の内側には照明を仕込み、和紙に描いたイラストを照らし出す。イラストは交換可能で、季節ごとの提供食材に合わせて入れ替え、旬をPRしてもらう。
プロジェクトのきっかけは、昨年5月に開いた市農業委員会と飯山飲食店組合の役員との懇談会だ。農産物の地産地消をいかに進めるか話し合う中で、農産物をデザインした看板で周知する方向性を決めた。飯菜食堂プロジェクトの名称の「飯菜」には、「飯山の野菜」と「自然豊かな飯山はいいな」の両方の意味を込めた。
菜の花が見頃となる5月には「いいやま菜の花まつり」(実行委員会主催)が市瑞穂の菜の花公園で開かれ、多くの観光客が市内を訪れることが予想される。プロジェクト事務局の市農林課は「おいしい料理を味わうことで、飯山の魅力を知るきっかけになればいい」としている。
同プロジェクトの参加店舗は市ホームページ(HP)などで周知する計画だ。問い合わせは市農林課(電話0269・62・3111)へ。