魚津市小川寺の春の祭礼は12日、同地区で行われ、伝統の獅子舞が千光寺観音堂で奉納された。市内外から大勢が訪れ、獅子やてんぐの踊りにシャッターを切ったり見入ったりした。
小川寺の春の祭礼は、県内で最も早い春祭りの一つとされる。神社の白山社と寺院の千光寺が同じ境内にあり、神仏混交の行事であることが特徴。
宮司のおはらいを受けた獅子舞やみこしの列が、五色ののぼりを持った園児に先導され、白山社側から出発。地元の小学生や高校生、若衆らが笛や太鼓を奏でた。
澄み切った青空の下、獅子とてんぐ、「ばば」2人、「あねま」からなる獅子舞は、しきたりで観音堂の周りを7周半した。てんぐは右手右足、左手左足を一緒に上げて跳ねるように舞い、獅子は頭をゆっくりと左右に振りながら腰をかがめて進んだ。
小川寺の獅子舞は、江戸時代の宝永年間(1704~10年)以降に現在の形になったと伝えられている。1994年に県の無形民俗文化財に指定され、2006年に県の獅子舞百選に選ばれた。
小川寺獅子舞保存会の川井隆治会長(59)は「今年も祭りを見て春の訪れを感じることができた」と話した。