魚津市の魚津水族館前にある噴水跡地の地面に14日、さまざまな方向から読み取れるようにデザインした文字「アンビグラム」が登場した。アンビグラム作家の野村一晟さん(27)=富山市中川原=が今月上旬から下書きなどの作業を始め、同日から新川高校美術部員が加わった。15日も作業を続け完成させる。
魚津市は魚津水族館前にあった噴水が老朽化したため、昨年撤去した。訪れた人がアート作品を撮影し会員制交流サイト(SNS)で情報発信することで、さらに多くの人を呼び込み魚津の魅力を知ってもらうのが狙い。
市と野村さんが魚津を連想させる単語や組み合わせを挙げて、その中から八つの言葉を二つずつ組み合わせることにした。市イメージキャラクターの「ミラたん」と書いた文字を180度変えて見ると「うおづし」となったり、それぞれ別の言葉の平仮名と漢字を混ぜて一つの文字にしたりと、さまざまなパターンの4作品を考案した。
新川高校の非常勤講師で美術部顧問の野村さんと部員4人はこの日、アスファルトにペンキで文字を塗ったり、ミラたんを描いたりした。作品の大きさは約1メートル四方から約2平方メートルで、2700点以上の作品を手掛けた野村さんにとってこれまでで一番大きな作品になる。
部員は「楽しかった。作業に携われてうれしい」と話し、野村さんは「謎解き感覚で見てもらいたい。魚津市をさまざまな角度で見て、多くの魅力を知ってもらうきっかけになれば」と述べた。