輪島塗技術保存会が、国の重要無形文化財に指定されている輪島塗の技法を駆使した地球儀の制作を進めている。19日は、ろくろ挽(び)きと、組輪(くみわ)と呼ばれる曲(まげ)物(もの)の技で、直径約1メートルの球体の木地が組み上がった。新年度は漆塗り、2019年度からは蒔絵(まきえ)、沈金、呂(ろ)色(いろ)などで表面を彩る工程に移り、21年度の完成を目指す。制作が難しいとされる球体の大型作品にあえて挑み、高度な職人技を示す。
地球儀は、輪島塗の技術を結集して国内外にアピールできるシンボル的な作品を作ろうと、輪島市が輪島塗技術保存会に制作を委託した。今年度から5年がかりで完成させる予定で、約5千万円を投じる。
19日は、同市鳳至町の市施設「千舟蔵」で、保存会員が集まり、球体の仕上がりを確かめた。