入賞作を鑑賞する開場式出席者=金沢市の県立美術館

入賞作を鑑賞する開場式出席者=金沢市の県立美術館

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現代美術展きょう開幕 県立、金沢21世紀美術館

北國新聞(2018年3月29日)

 第74回現代美術展(一般財団法人石川県美術文化協会、北國新聞社など主催)の開場式は28日、金沢市の県立美術館で行われた。出席者は文化立県の「原点」となった現美の歩みに思いを寄せ、全国に名だたる美術文化王国の輝きに一層の磨きを掛けていく決意を新たにした。同美術館と金沢21世紀美術館で29日午前9時半から一般公開される。
 県美術文化協会会長の飛田秀一北國新聞社会長はあいさつで、終戦のわずか2カ月後に第1回展が開催され、それを運営する美文協が発足、さらに美文協が中心となった金沢美術工芸専門学校(現金沢美大)の開設運動が翌年に実現した軌跡を説明した。飛田会長は「現代美術展こそ文化立県や文化都市の原点であり、石川にルネサンスのうねりを生み出したことは間違いない。このうねりを大事にしていきたい」と述べた。
 美術文化大賞を受賞した金沢美大教授の大森啓(あきら)さん(洋画)は、美術文化特別賞に輝いた2年前に初出品し、学生と同じ土俵で審査を受けた。若手とベテランが世代を超えて競い合う姿は現美の原点といえ、飛田会長は「非常に勇気が要ることであり、敬意を表したい」と話した。
 第1回展から出品し続け、昨年死去した文化功労者で美文協副会長を務めた漆芸家、三谷吾一さんの遺作として、東京五輪が開催された1964(昭和39)年の第20回展に出品された漆芸パネル「飛翔」も展示された。
 バイオリン高田愛子さんとチェロ細川文さんの弦楽二重奏が開場式を彩った。
 4月15日までで、委嘱と一般の部の6部門に1129点が展示される。洋画と彫刻、工芸は県立美術館、日本画と書、写真は金沢21世紀美術館で展示される。

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