中田さんの解説で書の秀作を鑑賞する来場者=金沢21世紀美術館

中田さんの解説で書の秀作を鑑賞する来場者=金沢21世紀美術館

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作り手の熱意に触れ 金沢・現代美術展

北國新聞(2018年3月31日)

金沢市の石川県立美術館と金沢21世紀美術館で開かれている第74回現代美術展(一般財団法人石川県美術文化協会、北國新聞社など主催)は2日目の30日、多くの美術ファンが足を運んだ。来場者は、郷土作家が自らの表現を求め、技と感性を注ぎ込んだ1129作品を間近に、創作に懸ける作り手の熱意を感じ取った。
 金沢21世紀美術館では美文協事務局次長の書家、中田飛泉さんによる作品解説が行われた。書の愛好者が多数詰めかけ、墨の色や線の配置、表情で作り上げられる芸術に理解を深め、感性を磨いた。
 中田さんは「長く続けるには自分の好きなことをやること。古典をよく学び、自分なりにこう書こうと、積み重ねることで、個性が出てくる」と話した。
 委嘱賞の高山裕子さん(金沢市)の作品については「歌うように書かれたのではないか。序曲で始まり、力強く終わるオーケストラの演奏を見るようだ」と鑑賞の楽しみを伝えた。最高賞・北國新聞社社長賞を受けた田中杏花さん(輪島市)の書は「濃墨で、ぐいぐいと書き込んでいる姿が伝わってくるような素晴らしい作品だ」と評価した。
 県立美術館では、美文協委員で彫刻家の上田さや子さんが作品解説した。
 上田さんは彫刻部門全体について「形、素材共に多様な作品がそろっている。これまでにない表現をしようという意志を感じる作品が幾つもあり、会場を引き締めている」と話した。

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