1981年に廃線となった福井県の福井鉄道南越線の駅舎を描いた絵はがき展「南越線50年前の記憶」が4月2日、同県越前市の北陸銀行武生支店で始まった。今はなき木造駅舎を中心とした水彩画約50点が、昭和の雰囲気を感じさせる。27日まで。
3年前から水彩画で市内の町並みを描く活動を続けている上野谷憲示さん(71)=越前市=の作品展。昨秋に味真野地区で創作中に同線五分市駅跡を偶然見つけたことから興味を持ち、全14駅を中心に色彩豊かな作品を描き上げた。図書館資料の白黒写真からイメージを広げたという。
社武生、粟田部、戸ノ口駅など、廃線で姿を消した駅はすべて木造。水彩独特の淡いタッチで描かれた待合室、駅の看板も昭和の面影をたたえている。上野谷さんは「作品を見て懐かしい時代にタイムスリップしてもらいたい」と話している。