写真の作品解説に聞き入る来場者=金沢21世紀美術館

写真の作品解説に聞き入る来場者=金沢21世紀美術館

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冒険重ね、作家が進歩 現代美術展、作品解説 金沢の2会場で開催中

北國新聞(2018年4月6日)

 第74回現代美術展(一般財団法人石川県美術文化協会、北國新聞社など主催)は5日、金沢市の県立美術館と金沢21世紀美術館で、工芸と写真の作品解説が行われた。解説を担当した作家は「他会派の作家と競い合う現美に出品し、新たな挑戦や冒険を重ねることこそ、作家の進歩と言える」と熱弁を振るい、美術文化王国石川の根幹を現美が支えていると強調した。
 県立美術館で工芸の解説を担当した美文協常任委員の川北浩彦さんは「ほかの出品者の作品を鑑賞して刺激を受け、新しい技法に挑戦するきっかけになっている」と述べ、毎年春の現美開催が作家の感性に新風を吹き込んでいるとした。
 金沢21世紀美術館で写真作品を解説した美文協常任委員の山田秀人さんは、物語性を感じさせる写真が強い印象を与えると指摘し「単なる風景を写すのではなく、夕焼けの中を飛ぶカモメのような組み合わせを考え、シャッターを切ってほしい」と呼び掛けた。
 昨年7月に亡くなった文化功労者で美文協副会長を務めた漆芸家の三谷吾一さんの長男で、彫刻家の慎さん(64)=前橋市=が県立美術館を訪れ、1964年の第20回展に出品された三谷さんの遺作「飛翔」を見詰めて父親をしのんだ。
 慎さんは「父が叙情的な作風に切り替わる大切な時期の作品であり、爽やかだ。現美の締め切り直前には徹夜で制作していた姿を思い出した」と話した。

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