伊那市高遠町の高遠城址(じょうし)公園で5日、規模や色合いから「天下第一の桜」として知られるタカトオコヒガンザクラが満開になった。市高遠町総合支所によると、観測が始まった1996年以降、最も早い。上空からは、約1500本が植わる公園一帯が、濃淡のあるピンクで染まって浮かび上がるように見えた。
3月末から好天に恵まれ、満開を迎えるのは例年より10日ほど早く、昨年より13日早い。同支所は今月14日前後まで見頃が続くと予想している。
公園内はこの日、親子連れやお年寄り、観光客でにぎわい、ベンチに座って弁当を食べたり、満開の桜にカメラを向けたり。午前3時半に岡山県倉敷市を車で出発し、友人5人と訪れた農業林春男さん(73)は「初めて見たが、高遠の桜は色が濃く美しい。遠くから来たかいがあった」と喜んでいた。