渡辺酒造店がオープンした「豊醸蔵」の店内に立つ渡辺吉樹代表社員=糸魚川市根小屋

渡辺酒造店がオープンした「豊醸蔵」の店内に立つ渡辺吉樹代表社員=糸魚川市根小屋

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清酒・根知男山の渡辺酒造店(糸魚川) 直売店オープン

新潟日報(2018年4月9日)

 清酒「根知男山」の醸造元、渡辺酒造店(糸魚川市)は、直売店と酒造りを紹介するスペースを備えた施設「豊醸蔵」をオープンした。同社は、市内の山あいにある根知谷に酒蔵を構え、酒米の栽培から醸造まで自社で手掛けている。直売店を持ったことで原料米の生産から醸造、販売までの一貫した流れが完結。酒造りのこだわりを発信しながらファンをさらに拡大していく。

 豊醸蔵は、同社の酒蔵や水田に隣接する同市根小屋に建設。自社林の杉を使った木造一部2階建てで、梁(はり)は最長12メートル、延べ床面積は約500平方メートル。200~300年は使い続けられる造りとしている。投資額は非公表。

 同社は、フランス・ブルゴーニュ地方のワイン生産者のように原料の栽培、醸造、瓶詰めを同一地域で行う「ドメーヌ・スタイル」を日本酒で実践。地元の田んぼ15ヘクタールで酒米の五百万石や越淡麗を育て、酒造りに使っている。直売店では酒米作りや酒造りを映像で解説するスペースを設け、酒造りの一連のストーリーを発信。瓶詰めした日本酒最大2万本を低温管理し、出荷まで熟成させる大型冷蔵施設などを備える。

 2013年に建設を決め、14年に杉材を切り出し、乾燥や製材を経て16年に着工した。酒米から酒になるまでを一貫して手掛けていることを表現しようと、「豊穣」と「醸造」から1文字ずつ取って名付けた。

 渡辺吉樹代表社員は「製材所や大工も含め、全て根知谷の材料と人で造った」と説明。「販売まで自社で行うことで6次産業化の完成といえる。酒米作りから自社でやっているという物語をきちんと作り、さらにオリジナリティーを出していきたい」と話した。根知谷の名所の一つとして、同所のリピーターを増やすことも目指すという。

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 営業時間は午前9時半~午後5時。火曜定休。問い合わせは豊醸蔵、025(556)6630。

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