入善漁業協同組合(入善町芦崎)と近畿大水産研究所富山実験場(射水市)が海洋深層水を使って養殖に取り組むサクラマスが9日、今季の初出荷を迎えた。人工ふ化してから深層水や黒部川扇状地の地下水で育成した"純・入善産"は初めて。町内の飲食店では13日からサクラマスフェアを始める。
養殖事業は2016年度に入善海洋深層水パーク(入善町下飯野)で開始した。海洋深層水を活用した試みは全国初とされ、夏場でも低温で安定している深層水を使うことでサクラマスの順調な成長を促す。清浄な水質により寄生虫の心配がなく生食でも安心して食べられるという。
今回は16年10月に同パークで初めて採卵した「人工ふ化第一世代」と呼ばれるものを出荷した。昨春は別の場所でふ化しパークで育てた約200匹だったのに対し、今年は1・2~2キロの約500匹をフェア開催店舗を中心に町内外で味わえるようにした。
9日は笹島春人町長、佐藤宗雄入善漁協副組合長、城崎鉄也町飲食店組合会長らが町役場で出荷とフェアの概要を発表した。刺し身やますずしといった旬のサクラマス料理を試食し「脂の乗り具合が最高」「口の中でとろけるようだ」と笑顔。「町が誇る二つの名水で育った特産物。新たな魅力として町内外で認知度が高まれば」と期待した。
フェアは13日~5月6日に町内12店舗で実施する。城崎会長は「各店自慢の一品を用意しているので春の味覚を楽しんでほしい」と話した。