下伊那郡高森町大島山の小川洋(よう)さん(76)、恭子さん(75)夫妻が丹精して育ててきたシバザクラが見頃を迎えている。19日は澄み切った青空の下、まだ雪が残る南アルプスを背景に、赤や白の色鮮やかな花々が美しく映えた。
シバザクラは赤や白、ピンク、藤色など8種類計700株ほど。2メートルほどの高さに土を盛った「富士山」もあり、赤と白に染まった。畑の周囲も見頃となったアネモネやチューリップが彩っている。
夫妻は18年前、洋さんの証券会社退職を機に、町内の洋さんの実家に移住した。朝から晩まで仕事一筋だった洋さんと、それを支え続けた恭子さん。移住後、洋さんは、花好きの恭子さんへの感謝の気持ちを込め、空いた畑に一緒にシバザクラなどを植え始めた。
各地から観賞の人が訪れるほどの規模になったが、2人は子どもが住む関東地方への移住を決めており、管理は今季が最後。洋さんは寂しさを口にしつつ「2人で作り上げてきた。できるだけ大勢に見てほしい」。管理を引き継ぐ人が現れることも願う。4月末までは楽しめそう。問い合わせは小川さん(電話080・3548・8305)へ。