喬木村阿島の安養寺境内に植わる「阿島の大藤」がほころび始めた。26日、辺り一帯が甘い香りに包まれ、村内外から訪れた人たちはうっとりとした表情で見入っていた。
白、ピンク、紫色などあでやかな花房が棚から垂れ、シャワーのよう。地元4軒でつくる保存会によると、例年より開花が10日ほど早い。花房の丈が心配されたが、前日までの雨で、10センチほど一気に伸びたという。
大恐慌となった昭和初期、地元商店主らが観光名所をつくって地域を活性化させようと、寄付金を募って7本のフジの木を植えた。今は20本にまで増え、保存会員が剪定(せんてい)などの手入れをしている。
保存会員の土屋広晃さん(60)は「今年の見頃はちょうど大型連休に重なる。ぜひ美しい花を見に来てほしい」とPRしていた。入園料は100円(小学生以下無料)。