出品作家の解説に耳を傾ける来場者=新川文化ホール

出品作家の解説に耳を傾ける来場者=新川文化ホール

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富山国際現代美術展が開幕 新川文化ホール

北日本新聞(2018年4月29日)

 県内を含む国内外の作家67人がジャンルを超えて意欲作を発表する第8回富山国際現代美術展「2018 ART(アート)/X(エクス)/TOYAMA(トヤマ)」が28日、魚津市の新川文化ホールで開幕した。自然や文化など自国の風土に根差しつつ、時代の空気を感じさせる国際色豊かな作品がそろい、初日から大勢の美術ファンでにぎわった。入場無料。5月6日まで。

 富山の作家たちが創造の新たな波を起こそうと、1993年に初めて開き、2002年から魚津で4年おきに開いている展覧会。25周年の節目を迎えた今回は、県内の29人を含む国内40人とフランスや中国、トルコなど、海外10カ国27人の作品計113点を屋内外に展示した。

 会場では作家がマイクを握り解説。トルコのフェリデ・ビニシオウルさんは、日の丸をイメージした太陽とトルコブルーの波を組み合わせた自作の前で「両国の交流で生まれた創作のうねりを表現した」と語った。スマートフォンを介した時空を超えたやりとりを描いた絵画や、「ブラック化」する劣悪な労働環境を二重構造の絵で指摘した10枚組の作品など、社会への問題意識がにじむ作品も多い。

 前回に続いて参加したロシアのアンナ・パルメノーヴァさんは「4年間の私の進化を伝えに来た」と話し、高岡市からインスタレーションを出品した旭晃子さんは「窓から入る光で変わる表情を楽しんで」と呼び掛けた。

 ミラージュギャラリーでは、約200点をそろえた「こどもたちの国際絵画展」、201会議室では、出品作家によるチャリティー小品展も始まった。

 開会式では鷹嘴(たかはし)直実行委員長があいさつ。今井光雄県生活環境文化部次長、板倉北日本新聞社長、海外作家代表のフェリデさん、中国大使館の劉贇(リュウイン)3等書記官、村椿晃魚津市長が祝辞を述べ、関係者でテープカットした。出品作家らによる交流会も開かれた。

 5月1日は休館。同展実行委員会、同ホール主催、県、魚津市、同市教委、北日本新聞社共催。

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