笑顔で弁当を販売する中里さん(右)

笑顔で弁当を販売する中里さん(右)

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売り口上も扇沢駅土産 アルペンルート「目玉の一つに」

信濃毎日新聞(2018年5月3日)

 大町市と富山県を結ぶ「立山黒部アルペンルート」の長野県側の始発点「扇沢駅」で、名物販売員の中里之宏(なかざとゆきひろ)さん(45)=大町市八坂=が得意の話術で駅利用者を楽しませている。大型連休を迎えて混雑も本格化する中、少しでも楽しい時間を―と売り文句は一層の熱を帯びている。
 「お土産の1番人気はレーズンです。アルペンルートと何も関係はないですが」「買ってくれなくても大丈夫。いくら売っても、私の給料は変わりませんから」。4月27日午前8時の扇沢駅構内では中里さんが口を開くたびに、笑い声が響いた。
 中里さんは大阪市出身。元々はホテルや飲食店などの調理場で働いており、2005年から扇沢駅で働くように。当初は駅のレストランで勤務したが、手が空いた時間に土産物の販売も担当。中里さんが売り場に立つと、通常、数時間掛かる量が30分で完売し、当時の上司が「売店向きだ」と目を付けた。
 「販売員は未経験で不安もあった」と中里さん。しかし、駅で乗車待ちの列をつくる人たちのために移動式のワゴン販売を始めたり、海外からのツアー添乗員から言葉を習って外国人客にも話し掛けたりするようにした。いらいらすることもある待ち時間を、少しでも楽しい思い出に変えたいとの思いがあった。
 応援の手紙をもらったり、駅を何度も利用する人に「また会えてうれしい」と声を掛けてもらえたりすることが励みだ。今季は、関西電力が運行する扇沢駅発のトロリーバスが引退する年でもあり、例年以上に盛り上げようとの思いも強いという。
 目標は、自身がアルペンルートの目玉の一つになることだ。「訪れた人が『雪やダムの放水がきれいだった。扇沢には面白い人もいたなあ』と思い出してもらえたら、こんなにうれしいことはない」。売り口上がそう評価されるまで努力を重ねるつもりだ。

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