原爆犠牲者のワンピースを撮った写真(中央)の前に立つ石内さん

原爆犠牲者のワンピースを撮った写真(中央)の前に立つ石内さん

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「ひろしま」遺品写真・ちひろの鉛筆画 松川村で企画展

信濃毎日新聞(2018年5月12日)

 原爆犠牲者の遺品の写真と、信州ゆかりの絵本画家いわさきちひろ(1918〜74年)の鉛筆画が並ぶ企画展「ひろしま」が12日、安曇野ちひろ美術館(松川村)で始まる。開催中のちひろ生誕100年記念展「Life展」の第2弾。11日は式典があり、出品する都内の写真家、石内都さん(71)が出席した。

 同館と信濃毎日新聞社の主催。石内さんは、広島の原爆犠牲者が身に着けていた衣服など、広島平和記念資料館(広島市)の収蔵資料を2007年から撮り続けている。一方、ちひろは被爆した子供たちの作文や詩に絵を付けた絵本「わたしがちいさかったときに」を1967(昭和42)年に出版。今回は、広島を共通点に、次世代に平和を伝えたい―と企画した。

 会場に並ぶ写真はワンピースやブラウス、学生服などの41点。ちひろの作品は母と子が抱き合う姿を描いた絵本原画やスケッチなど33点を展示した。ちひろの長男で同館常任顧問の松本猛さん(67)は式典で「(写真と並べて眺めると)ちひろの絵に色が入り、写真の服を着ていた子どもたちが動き始めるような印象を受けた」とあいさつした。

 石内さんは「表面的には遺品だが、時間と歴史を撮っている。見た人それぞれが考えてほしい」とし、同館は子どもの来場が多いことから「歴史を未来に向けて発表する場だと感じる」と話した。

 7月16日まで。一般800円、高校生以下無料。第2、第4水曜は休み。

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