斎藤さん(手前左)の案内で入笠山の山頂を目指す参加者ら

斎藤さん(手前左)の案内で入笠山の山頂を目指す参加者ら

長野県 伊那路 アウトドア・レジャー

森を知って、体験の催し 伊那の官民「ミドリナ委員会」

信濃毎日新聞(2018年5月22日)

 伊那市で森林保全・活用事業に取り組む官民団体「市ミドリナ委員会」は21日、より深く森を知って楽しんでもらう体験型の催し「ミドリナカフェ」のプレイベントを開いた。委員ら10人ほどが同市・富士見町境の入笠山(1955メートル)に登り、同市高遠町芝平(しびら)の入笠牧場近くを散策。6月以降、市民の参加も募って月1回のイベントを本格的に展開する計画で、森の活用や保全にどうつなげるか意見を出し合った。

 この日の登山は、南アルプス仙丈ケ岳(3033メートル)の山小屋「馬の背ヒュッテ」の管理人、斎藤しのぶさん(44)が案内した。斎藤さんは緩みにくい登山靴のひもの結び方などを助言。カラマツなどの間から木漏れ日が差す道を約30分かけて登った。晴天の山頂からは富士山や北ア、中アなどが望め、持ち寄ったクッキーなどを味わった。

 参加者は続いて入笠牧場に移動し、管理人の三沢厚さん(70)と近くの「テイ沢」を散策。ニリンソウやタチツボスミレが咲く沢沿いを進んだ。その後、「山や森に親しむ人が増えないと森を守る人も増えない」「市内の森林を場所によってどう生かすのか、明確にする必要がある」などと話し合った。

 ミドリナは緑と伊那を組み合わせた造語。委員会は4月、市が市内の森林の50年後のあるべき姿を示した「市50年の森林(もり)ビジョン」を応援する目的で発足し、市内外の有志約30人が委員を務める。6月以降は「ミドリナカフェ」と銘打ち、森林整備やきこりの仕事を学んだり、マウンテンバイクを使って森を楽しんだりするイベントを開く。

 委員でイベント運営を担う平賀裕子さん(54)=伊那市荒井=は「伊那に住んでいても知らない森の魅力を感じた。その魅力をより広く市民で共有する方法を次回以降に考えたい」と話した。イベントの問い合わせは平賀さん(電話0265・96・0438)へ。

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