南砺市福光の料亭「松風樓(しょうふうろう)」は、福光地域ゆかりの世界的板画(はんが)家、棟方志功にちなんだ「棟方御膳」の提供を始めた。棟方の親族によるアドバイスや逸話を基に、棟方が実際に好んだ郷土料理を中心にそろえた。南砺市内で9月に開催される「棟方志功サミット」の関係者は「盛り上げの一助になればいい」と期待している。
棟方志功サミットは、棟方とゆかりが深い全国5自治体の関係者が集う。催しを盛り上げるため市観光協会が地域の商店などに協力を依頼。松風樓の齊藤文治社長(52)が賛同し、地域おこし協力隊員の松井香楠子さん(31)と共にメニュー作りに取り組んだ。
棟方の孫の石井頼子さん(東京)から、実際に好んで食べていたものを聞き取り、普段提供している懐石料理とは異なる日常の味を中心に構成した。「手づかみで食べていた」という木綿豆腐の冷ややっこや、「かき込むように食べた」というベニサケご飯などを提供。棟方が好きだったますずしや丸山(がんもどき)、出身地青森の郷土料理「けの汁」なども多彩にそろえた。
味付けや器も棟方の好みを基に提供する。松井さんは「棟方の素朴で明るい性格を感じてもらえたら」と言う。齊藤社長は「棟方の原動力となった料理を多くの人に味わってもらいたい」と話している。
価格は3800円(税別)。提供は6人以上から平日限定で、要予約。季節に応じて料理の一部は変更する。問い合わせは松風樓、電話0763(52)0051。