完成したシードルをお披露目し、表参道を訪れた人たちと交流する座光寺地区の住民ら=30日、都内

完成したシードルをお披露目し、表参道を訪れた人たちと交流する座光寺地区の住民ら=30日、都内

長野県 伊那路

飯田と渋谷、交流が醸す味 表参道のリンゴでシードル

信濃毎日新聞(2018年5月31日)

 東京都渋谷区と交流している飯田市座光寺地区の住民らが、同区の表参道に植えたリンゴの果実を使って発泡酒のシードルを初めて醸造し、30日、現地でお披露目した。表参道一帯の商店主や住民らと育てる約40本のリンゴの木は両者の交流の象徴で、絆をさらに深めようと、完成したばかりのシードルで乾杯した。

 お披露目の会は、服飾店が軒を連ねる表参道のキャットストリートで開催。日頃、リンゴの木の世話をしている一帯の商店会や町会の関係者ら約50人が集まり、栽培指導を担う座光寺地区の果樹農家の一人、代田勝さん(73)の発声でシードルを味わった。

 飯田市と渋谷区は、体験教育旅行の受け入れなどで30年近い交流の歴史がある。2010、11年、区側の提案で表参道の花壇や区内の小学校の校庭に「秋映(あきばえ)」や「シナノゴールド」を植樹した。実がなっても通行人に取られてしまうなど苦労もあったが、昨年秋には計約30キロを収穫した。

 シードル醸造は、全国や飯田下伊那地方でのシードルブームを受け、座光寺地区の地域自治会が提案した。表参道での収穫分に座光寺で栽培した約350キロを加え、カモシカシードル醸造所(伊那市)に委託。750ミリリットル入りで350本が完成した。「座光寺×表参道シードル」と名付け、ラベルには原宿駅駅舎と座光寺の風景をあしらった。来年以降も毎年造る予定だ。

 この日は関係者のほか、表参道を訪れた人にも振る舞った。試飲した穏田(おんでん)表参道町会長の小泉由梨さん(67)は「すっきりした味わいでおいしい。飯田との交流を深め、リンゴが育つ環境をもっと良くしていきたい」と話していた。

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