諏訪郡下諏訪町民らでつくる下諏訪の路地を歩く会は「路地の日」の2日、町内を散策するツアーを開いた。30回目の今回は県内外の35人が参加。かつて町をよく訪れた芸術家岡本太郎さん、作家永六輔さん、俳優小沢昭一さん(いずれも故人)のゆかりの場所や名所を巡った。
午前9時すぎに諏訪大社下社秋宮前を出発。30年ほど前に閉鎖された公衆温泉浴場「綿の湯」の跡地では、永さん直筆の「綿の湯」の文字を彫った石碑を見た。永さんと面識のあった会員広瀬博人さん(84)が、永さんが浴場の閉鎖後に復活を願う寄席を開いたエピソードを紹介した。
「くら道」と呼ばれ、古い街並みが感じられる細い路地では、小沢さんがユウガオを詠んだ句碑を見学。復元された江戸時代の高札場なども見て回った。前橋市から参加した小池邦治さん(79)、節子さん(75)の夫婦は「普通の観光旅行では気付かない発見がある」と話していた。
かつて宿場町だった下諏訪町は数多くの路地が残り、歩く会は地域の魅力として発信しようとツアーを続けている。路地の日は、同会が2001年に日本記念日協会(佐久市)に申請し認められた。