オックスフォード大から逆輸入される予定のアサノ

オックスフォード大から逆輸入される予定のアサノ

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国内絶滅の桜を逆輸入 県と英の大学覚書へ

北日本新聞(2018年6月5日)

 県中央植物園(富山市婦中町上轡田)が、英オックスフォード大の植物園・樹木園と交流促進に向けた覚書を交わすことになった。生物多様性の保全や研究者の育成に共同で取り組み、国内では絶滅した日本の桜5品種を英国から逆輸入するプロジェクトも進める。交流を記念して、県は中央植物園の一角を英国風の庭園にリニューアルする。

 石井隆一知事が4日の定例記者会見で発表した。オックスフォード大の植物園・樹木園は1621年に設立され、英国最古の歴史を有する。日本の植物園との提携は初めてで、知事は「世界屈指の機関からパートナーに選ばれ、大変光栄」と述べた。

 覚書には▽植物の多様性の保全に関する情報の共有▽種子や苗木、出版物の交換▽研究員の交流-を盛り込む。桜の逆輸入プロジェクトはその一環で、同大が保存してきた希少な桜を日本に復活させる。アサノ、ダイコク、ココノエザクラ、オオキクザクラ、スミゾメの5品種で、1890~1920年代に英国に渡った後、国内では絶滅した。

 両国での検疫を経て、来年11月ごろに挿し木が届く見通しで、県森林政策課は「国内で観賞できるのは中央植物園だけ。新たな目玉になる」と期待を込める。今秋から整備する英国風の庭園に植える予定で、2021年度の完成を目指す。

 中央植物園は、日本固有の植物の種子を収集する同大の研究に協力したのが縁で、12年から交流を深めてきた。15年には友好の証しとして、優良無花粉スギ「立山 森の輝き」とヨーロッパクロマツの種子を贈り合っている。

 同大のクロマツは、「指輪物語」などで知られる作家のトールキンが木陰で創作したことから「トールキンツリー」の名で親しまれている。老木となったため伐採され、最後の種子が英国外では初めて富山県に贈られた。

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