五穀豊穣(ごこくほうじょう)や家内安全を願って執り行う下村加茂神社の「御田植祭(おたうえさい)」が4日、射水市加茂中部の同神社境内で行われ、野上克裕宮司が古式にのっとった作法で神事を執り行った。
御田植祭は、1066年に同神社が創建されてから続く行事と伝わる。後ろに下がりながら田植えをする神事の様式に歴史があり、県無形民俗文化財に指定されている。
この日は、氏子総代が川岸に自生している真菰(まこも)と呼ばれる背の高い植物の葉を使い、長さ60センチほどの「真菰の大男」を1組2体、神社委員が20センチほどの「真菰の神様」を3組6体作った。同市下村小学校の3年生11人も神様作りを体験した。
神事は、境内の砂利を盛って作った3・6メートル四方の「田」で実施。氏子の男性が「えぶり」と呼ばれる道具で田をならし、野上宮司が神様を正面に後ろに下がりながら稲の苗を12列置いた。その後、「真菰の大男」を後ろに向かって投げ、参拝客らが御利益にあやかろうと受け止めた。
「真菰の大男」を受け止めた同校3年の森漣音君は「受け取れてよかった。豊作になればうれしい」と話した。