「美和ダムカレー」を紹介する志村千恵子さん

「美和ダムカレー」を紹介する志村千恵子さん

長野県 伊那路 グルメ

美和ダムカレー、愛好家も満腹 伊那・長谷のカフェ

信濃毎日新聞(2018年6月6日)

 伊那市長谷黒河内のカフェ「木楽(きらく)茶屋」が提供している近くの美和ダムを模した「美和ダムカレー」が全国のダム愛好家に人気だ。2012年からカフェを営む志村千恵子さん(66)が、カレーもダムも好きで13年に亡くなった夫・裕幸さんのアイデアを生かした特別メニュー。会員制交流サイト(SNS)などで評判が広がり、県外から訪れ、開店前から待つ客もいる。

 ダムカレーは、ルーで美和湖を示し、ご飯でえん堤を表現。昨年から1日5食限定で販売している。客の要望に応え、国土交通省や県が配布しているダムカードにちなんだカフェ独自の「ダムカレーカード」も昨年11月から販売し、好評という。

 千恵子さんは兵庫県芦屋市出身。登山が趣味で03年、裕幸さんと千葉市から伊那市長谷に移住した。市内の病院で働き、退職後の12年、自宅にカフェを開いた。田植えを終えたお年寄りらが作業着のまま訪れ、裕幸さんもウエーターとして手伝ってくれた。

 そんな裕幸さんは13年10月、夫婦で登山中に急死。千恵子さんは店を休み、誰にも会いたくない日が続いた。約3カ月後、ふと店内に目をやると、ほこりだらけの皿やグラスが並んでいた。「店を応援してくれた夫に申し訳なくて悲しかった」。千恵子さんは店内の掃除に取り掛かり、14年1月に営業を再開した。

 千恵子さんは昨年体調を崩して一時入院したが、人が気軽に集える場所を―と店に立ち続ける。「『気ままに(店を)やればいいよ』と言うお客さんの言葉に救われました。頑張り過ぎず、のんびり店を続けたい」と話している。

 ダムカレーは900円(税込み)、カードは200円(同)。営業は午前10時〜午後5時。火、水曜と、裕幸さんの月命日の毎月29日は休み。

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