西田のノートを調査し、公開した浅見館長(左から2人目)ら職員=かほく市の石川県西田幾多郎記念哲学館

西田のノートを調査し、公開した浅見館長(左から2人目)ら職員=かほく市の石川県西田幾多郎記念哲学館

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幾多郎と漱石との接点示す かほくの哲学館、ノート公開

北國新聞(2018年6月6日)

 かほく市の石川県西田幾多郎記念哲学館は5日、世界的な哲学者、西田幾多郎(同市出身)が東大選科生だった1891(明治24)年、1年先輩で英文科で学んだ文豪夏目漱石とともに、ドイツ文学の講義を受けた当時のノートを報道陣に公開した。ドイツの文豪ゲーテの著作について記述があり、哲学館は「西田と漱石との接点が分かる貴重な記録」としている。
 西田は金沢の旧制四高(金大の前身の一つ)を中退後、21歳だった91年に東大哲学科選科に入った。ノートは、ゲーテの著書「ヘルマンとドロテーア」について書かれ、一部に91年と日付が記されている。
 西田は晩年の1942(昭和17)年に発表した随筆で「有名な夏目漱石君は一年上の英文学にいた」と記し、ドイツ出身の日本学者フローレンツの授業で、一緒に「ヘルマンとドロテーア」を読んだと振り返っている。随筆の記述と重ね合わせ、西田が漱石とゲーテについて学んだ頃のノートと分かった。
 哲学館は損傷の恐れがあるためノートを一般公開せず、複製品を作成して展示することを検討している。浅見洋(ひろし)館長は「日本の哲学史に光を当てる貴重な資料であり、さらに調査し、ノートの資料化を進めたい」と述べた。

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