金沢市の金沢21世紀美術館で開かれている第23回総合花展金沢展(石川県いけ花文化協会、北國新聞社主催)は2日目の6日、大勢の愛好者らが訪れ、伝統の様式美を生かした力作や、斬新な構成に挑戦した意欲作など170点を鑑賞した。心の内から湧き出たアイデアを卓越した技で完成させた作品が、来場者の関心を引き付けた。
立派な枝ぶりが特徴のカエデの古木を使った作品には、木の枠とカキツバタなど季節の花が添えられた。木の枠は窓のように見え、作品全体で室内から臨む庭の景観を表現しており、来場者は足を止めて眺めを楽しんだ。
華道家の遊び心を感じさせたのは、黄色のシンビジウムや緑のソテツを使って帽子のように見える作品だ。花をまとめて作られた黄色の「リボン」がポイントとなっている。
色彩に工夫した作品も来場者の目を楽しませた。脱色した上で淡いオレンジやピンク、黄色に染めた朴葉約20枚を飾り付けた作品が会場を彩った。
水の透明感を生かそうと華道家が心を砕いた作品もある。高さ70センチほどのグラスを花器にした作品は、生けられた細かい緑の葉がグラスに映り込み、爽やかさを引き立てた。