千住さん(右)の説明を聞きながら、初公開された襖絵・障壁画「瀧図」に見入る大勢の来場者=富山県美術館

千住さん(右)の説明を聞きながら、初公開された襖絵・障壁画「瀧図」に見入る大勢の来場者=富山県美術館

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壮大な滝、圧巻の崖 富山で「千住博展」始まる

北日本新聞(2018年6月9日)

 現代アートシーンをけん引する日本画家、千住博さん(60)渾身(こんしん)の大作を初公開する企画展「高野山金剛峯寺(こんごうぶじ)襖絵(ふすまえ)完成記念 千住博展」の開会式が8日、富山市木場町の富山県美術館であった。自らの集大成と位置付けた全44面からなる襖絵・障壁画は招待客らを圧倒した。40年の画業を振り返る主要作も並び、飽くなき挑戦を続ける千住さんの軌跡を伝える。

 襖絵・障壁画は、高野山金剛峯寺(和歌山)の依頼を受け、千住さんが約3年かけ制作。滝が壮大に流れ落ちる「瀧図」と切り立つ崖を捉えた「断崖図」からなり、全幅は40メートルを超す。寺に納める前に多くの人に見てもらいたいと、昨年オープンしたばかりの富山県美術館で初めてお披露目することにした。

 千住さんは米ニューヨークに制作の拠点を置き、1995年のベネチア・ビエンナーレでは東洋人初の名誉賞に選ばれるなど、現代日本画壇を代表する作家。企画展では襖絵・障壁画をメインに、初期の風景画や滝の多彩な作品もそろえた。

 開会式では石井隆一知事、忠田北日本新聞社長、添田隆昭(りゅうしょう)総本山金剛峯寺執行長(しぎょうちょう)・高野山真言宗宗務総長(しゅうむそうちょう)に続き、千住さんが「襖絵・障壁画は持てる力を全て注いだ。皆さんに見てもらえて光栄」とあいさつ。品川惠保軽井沢千住博美術館長、中井敏郎東亜薬品社長、福田忠司NHKプラネット中部支社長、雪山行二富山県美術館長が加わり、テープカットした。千住さんによる作品解説もあった。

 企画展は7月29日まで。富山県美術館と北日本新聞社でつくる実行委員会、NHKプラネット中部主催。

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