長野市立博物館が24日まで、戦国時代に一帯で「川中島の戦い」を繰り広げた武田氏、上杉氏と善光寺(長野市)との関わりを紹介する春季企画展を開いている。武田信玄が甲斐善光寺(甲府市)に移した木像や、江戸時代に善光寺から上杉氏が治めた山形県米沢市に伝わったとされる仏具など計約30点が並ぶ。
信玄は善光寺の本尊をはじめ寺としての機能を全て自国の甲斐善光寺に移したとされる。この時移されたうち、寺の名の由来となった本田善光夫妻の木像(甲府市指定文化財)を展示。善光寺別当(管理者)の栗田氏に、甲斐善光寺への権益を認めた信玄の子・勝頼らの書状(善光寺大本願所蔵)も初公開している。
現存する設計図としては国内最古とされる、重要文化財の「善光寺造営図」4点もある。当時は善光寺が荒廃。信玄の父・信虎が善光寺に2度参詣した後にこの造営図が描かれたとされ、寺再建との関係が注目されるという。
信玄と戦った上杉謙信の側にも、善光寺の本尊を持ち帰ったとの伝承があるという。企画展では、善光寺伝来とされる鎌倉中期の仏具(山形県指定文化財)や、受け継がれた本尊が安置されたという米沢城本丸の御堂絵図などを展示している。
月曜休み。問い合わせは市立博物館(電話026・284・9011)へ。