小松市安宅町で9日、日本遺産「荒波を越えた男たちの夢が紡いだ異空間~北前船寄港地・船主集落~」への追加認定を祝う多彩な催しが行われ、多くの観光客でにぎわった。住民は北前船寄港地の名残をとどめる数々の観光資源を見詰め直し、認定地の魅力を高めていく思いを新たにした。
スタンプラリーイベント「花の安宅に着きにけり 安宅夏の陣」(北國新聞社後援)では、市内外から訪れた観光客が北前船主や回船問屋の堂々とした屋敷が残る町内を散策し、港町の風情に触れた。
北前船主だった瀬戸家では、きらびやかな花嫁衣装や豪華な家財道具などが披露され、来場者は歓声を上げ、往時の繁栄ぶりに思いを巡らせた。旧家の清水家では花嫁のれんや結納の品、安宅町の古い写真などが並び、八田家では約100年前に作られた御殿雛(ごてんびな)が飾られた。
「花の安宅に着きにけり」は毎年開催されており、今年は、北前船主が航海の安全を願って船絵馬を奉納した安宅住吉神社と、神社近くのあずまやを新たにチェックポイントに加えた。町民有志でつくる安宅活性化倶楽部(くらぶ)が主催した。10日まで。