県内外の飲食店主ら8人が11日、県が認定する伝統野菜「鈴ケ沢なす」を栽培している阿南町和合地区の畑を訪ね、苗を植える体験をした。ナスを店で提供していたり、仕入れを検討したりする事業者に野菜や地域の魅力を知ってもらおうと、地元の住民有志が初めて企画した。
鈴ケ沢なすは大型で甘みがあるのが特長。体験会を企画した同町の飯野悠子さん(35)らのグループが希望があった事業者に直送しており、県内外で少なくとも8店で食材として使われているという。体験会は、山形村のそば店の要望で企画した。
この日は、地元の和合小学校の児童や、畑を管理する障害者支援施設「町就労支援センター」の利用者ら計約30人も参加。飲食店主らと約8アールの畑にナス約180株などを植えた。
京都市でそば店を経営する中根英昭さん(56)は既にナスを店で使用。「てんぷらにすると実がとろとろになり、感激した。(体験会に参加し)栽培や消費が地域に密着しているのが印象的だった」。飯野さんは「今後は飲食店に直接収穫してもらえる体験会も検討していきたい」と話していた。