35ミリフィルム映写機で松本零士さん原作の映画を上映する。リールにフィルムを巻き付けセットする=福井県福井市のメトロ劇場映写室

35ミリフィルム映写機で松本零士さん原作の映画を上映する。リールにフィルムを巻き付けセットする=福井県福井市のメトロ劇場映写室

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銀河鉄道999、味わい深いフィルムで 福井で16日から上映会

福井新聞(2018年6月15日)

 漫画家、松本零士さん(80)原作の映画「銀河鉄道999」(1979年)、「さよなら銀河鉄道999」(81年)のフィルム上映会が6月16~29日、福井県福井市のメトロ劇場で開かれる。約40年前に一大ブームを巻き起こしたSFファンタジーが、当時の味わい深く温かみのある映像と音声でよみがえる。ロビーでは、松本さん原作の映画ポスターや、当時の映画割引券などを並べファンの郷愁を誘う。

 「銀河鉄道999」(16~22日)は、母を殺した機械伯爵に復讐(ふくしゅう)するため、永遠の命を手に入れようと主人公の少年、星野鉄郎が謎の美女メーテルと共に、銀河超特急999号で宇宙を旅し成長していく姿を描く。「さよなら銀河鉄道999」(23~29日)は、地球に帰還し機械人間と戦い続ける鉄郎が、メーテルからのメッセージを受け、再び999号に乗り込み物語が動きだす。

 上映に使う35ミリフィルムは、配給会社で保管するマスターから新たにプリント。複数のフィルムをつなぎ、一つのロールにして映写機のリールに巻き付ける。映写技師の山田昭二さん(76)=福井市=ら、30年以上の経験を持つ2人がフィルムを回す。山田さんは「上映を重ねるほど、フィルムに傷や劣化が生じ、映写途中で切れることもあった。その度に3分ほどかけ"応急処置"をした」と昔を懐かしむ。同劇場では5、6年前から完全にデジタル上映となり、フィルム映写機を使うことはないという。

 展示するポスターは多様なデザインの約20枚。「銀河鉄道999」のほか「わが青春のアルカディア」(82年)や、「宇宙戦艦ヤマト」は1作目(77年)から3作目(80年)までを用意。配給会社が作品紹介のため劇場に配ったプレスシートや、福井市の「999」ファンから寄せられた同作のレーザーディスクジャケット約30枚も見られる。カウンターでは、当時の映画割引券やパンフレットを並べる。

 館主の根岸輝尚さん(42)は「独特の質感や雰囲気、味わいある粒子の粗さが特長のフィルム映画で、松本さんの不朽の名作を味わってほしい」と話している。福井市美術館で開かれている「松本零士展」(福井新聞社後援)に合わせ企画し、同劇場で保管するポスターの一部を同展に提供した。

 16~22日は午後3時、同7時半から。23~29日は午後2時20分、同7時半から。一般1600円、午後7時からのレイトショーと大学(専門学校)生は1300円。小中高生は千円(メトロカード割引あり)。問い合わせは同劇場=電話0776(22)1772。

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