福井県のあわら市郷土歴史資料館で企画展「古代鉄文化とあわら」が開かれている。鉄製の刀やおの、炉といった出土品を展示。かつて製鉄が盛んだったことを紹介している。9月2日まで。
同資料館によると、あわらの中でも特に旧金津町地域と鉄のかかわりは深く、「金津」の地名は鉄を指す「金」と川港の「津」が由来とされる。市内では、32カ所の遺跡から製鉄にまつわる遺物が見つかっている。
企画展では、館蔵品を中心に37点を紹介。このうち、花乃杜の住宅地造成の際に茱山崎(ぐみやまさき)遺跡から出土した「羽口(はぐち)」は、炉に風を送る「ふいご」の先端につける部品。奈良~平安期のものとされ、既にこの時期には製鉄が行われていたことを示している。
竹田川の川底から採集された鉄の塊は、船が鉄を運ぶ際、何らかの理由で川に落ちた可能性があるといい、鉄の運搬に竹田川が多く利用されていたことをうかがわせる。
関連行事として、6月17日午後1時半から関清・富山県埋蔵文化財センター元所長が「北陸の製鉄について」と題し講演する。8月5日は午前10時から金津神社でNPO法人「加越たたら研究会」が製鉄を実演する。入場無料。月曜と第4木曜日は休館。