茶臼山動物園のオランウータンが暮らすおり。園内の林の中で生活できるようにする計画が進んでいる=19日

茶臼山動物園のオランウータンが暮らすおり。園内の林の中で生活できるようにする計画が進んでいる=19日

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茶臼山の動物、共に育てよう 長野市が「サポーター」制度

信濃毎日新聞(2018年6月20日)

 長野市は、茶臼山動物園(篠ノ井有旅)で計画するオランウータンなどの展示施設のリニューアルに向け、市民らに寄付を呼び掛ける。寄付者を、共に動物を育てる「サポーター」と位置付け、限定の催しなどの特典を設ける。展示施設は、動物たちがより自然に近い暮らしができるようにする計画で、幅広く協力を求める。

 寄付を積み立てる「茶臼山動物園整備基金」を新設する条例案を開会中の市議会6月定例会に提出しており、22日の最終日に可決されれば、8月に受け付けを始める。

 市がまず寄付を充てたいのは「オランウータンの森」の整備。現在はおりで飼うオランウータンを園内の約700平方メートルの林に移し、本来の生活に近い状態を見られるようにして、集客力を高め、繁殖もさせやすくする狙い。ただ、5千万〜6千万円に上る柵などの整備費確保は「国の補助制度がなく厳しい」(公園緑地課)といい、寄付で2千万円を賄うことを目標に掲げる。来年度中の着工を目指す。

 市は「ふるさと納税」制度でも動物園再整備への寄付を募っているが、制度上、園に身近な市民や市内企業から寄付を受けても「返礼品が贈れない」(同課)のが難点。このため、兵庫県姫路市立動物園が特典のある「サポーター」制度で市民や地元企業の寄付を集めていることを参考に、同様の仕組みを考えた。他の動物の展示施設をリニューアルする財源も含めて寄付を積み立てられるよう、基金を設ける。

 寄付は個人が1口2千円。企業が1口5万円から。寄付者名は銘板に記して園内に掲げたり、園のウェブサイトで紹介したりする。市は「寄付金が、動物がより良く暮らす環境という形になる」と説明。企業の地域貢献活動の一策としても協力を得たい、と期待している。

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