7月の新盆に向けて、墓前に供えるキリコの生産が金沢市内の製造所でピークを迎えている。木材の組み立てや箱詰め作業が急ピッチで行われ、金沢の夏の風物詩の準備が進んでいる。
伝統的な箱形キリコに代わって、持ち運びやすさや後始末の手軽さから板キリコの需要が伸びており、製造者によると、近年キリコ市場の約8割を占めるという。
板キリコを製造する大竹仏壇木地製造所(古府2丁目)は約23万個を出荷する予定で、部品の接合作業や箱詰め作業などに追われている。板キリコを発案した中本製箸(湊4丁目)は、県産スギの間伐材を用いたキリコにひもを通す作業などを進め、約20万個を製造する。
昔ながらの箱形キリコを作る紙尾木工所(金石西4丁目)は、木枠に紙を貼る作業などを急いでおり、今年は約2万個を作る。