盲導犬を連れて塩尻駅に降り立ったツアー参加者たち

盲導犬を連れて塩尻駅に降り立ったツアー参加者たち

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触れて感じて―楽しむ塩尻 盲導犬と体験型ツアー

信濃毎日新聞(2018年6月28日)

 目の不自由な人が盲導犬と塩尻市を巡る体験型ツアーが27日、3日間の日程で始まった。松本市出身の会社員下村秀博さん(43)=横浜市=が企画し、一般社団法人盲導犬総合支援センター(横浜市)が協力。首都圏から10人と9匹が参加し、国史跡「平出遺跡」を訪ね、出土した土器のかけらなどに触れた。

 IT企業に勤める下村さんは、郷里に何か貢献したいと、2年前から年4回の観光ツアーを自主企画している。昨秋、視覚障害者のランニングイベントを見て体験型ツアーを思い立った。「需要は多いはず」と協力を快諾した同センターと準備を進めてきた。

 この日は塩尻駅からバスで遺跡へ。下村さんは「『平ら』に『出る』と書いて平出」「降りたら30メートルほど歩きます」などと具体的に案内し、参加者は、縄文土器や弥生土器のかけらを触り「縄文土器の方が厚いね」と感触を確かめた。竪穴住居では案内した塩尻市職員に面積や高さなどを尋ねていた。28日以降、ハイキングやニラの収穫も楽しむ。

 盲導犬「レディアン」と参加した横浜市の会社員大沢郁恵さん(36)は「こうした体験は個人では難しい。3日目のニラの収穫が楽しみ」と話していた。

 松本視覚障害者福祉協会の前野弘美会長(60)によると、盲導犬の入店を断る店や、訪問先の受け入れ態勢を心配して視覚障害者が積極的に旅行に出る機会は少ないといい、「こうしたツアーが広がれば安心して参加できる」と今後に期待している。

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