新湊大橋中央が反転し、両端が「Z」のように見えた春型蜃気楼=30日午後3時25分ごろ

新湊大橋中央が反転し、両端が「Z」のように見えた春型蜃気楼=30日午後3時25分ごろ

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出た!12年ぶりAランク蜃気楼 魚津沖

北日本新聞(2018年7月1日)

 魚津市の海岸で30日、春型蜃気楼(しんきろう)が観測され、魚津埋没林博物館は5段階(A~E)の最高評価となるAランクとした。Aランクは2006年7月10日以来12年ぶりで、同館がランクを付け始めた1996年4月以降で8回目。

 午前7時20分ごろから、射水市方向の風景が伸び上がって見え、その後、生地鼻灯台が見える黒部市生地方向や能登半島方向でも変化。午後には富山市方向にも広がった。午後2時から同3時ごろにかけては最も明瞭になった。射水市の新湊大橋の両端が「Z」のような形になったほか、富山市街地方向では富山市民球場やタワー111などが伸び上がったり、建物が反転して見えたりした。

 同館は当初Eランクとしていたが、徐々に明瞭になり長く継続したため、最終的にAまで格上げした。

 今季の春型蜃気楼の観測は29回目で最多記録を更新中。


■「最高」の神秘ショー
 魚津埋没林博物館が12年ぶりにAランクの春型蜃気楼(しんきろう)を確認した30日、魚津市の「海の駅・蜃気楼」近くの展望地で、大勢の人たちが神秘的な富山湾のパノラマショーに感動の声を上げた。

 2005年にAランクを見たのをきっかけに春型蜃気楼の撮影を続けている魚津蜃気楼研究会会員の野村英樹さん(52)=同市石垣新=は「Aランクはすごい。射水などいつもは逆光になりがちな所も、順光で本来の風景の色の蜃気楼が撮れた」と喜んだ。

 朝から熱心に撮影していた同会会員の戸高一雄さん(71)=上市町上法音寺=は「夕方まで長時間楽しむことができた」と満足そうに話した。

 最もくっきり現れた午後2時すぎには、写真愛好家や観光客から「どんどん変わっていくぞ」「初めて見た」と次々に歓声が上がり、双眼鏡を貸し合う場面も見られた。

 1992年から蜃気楼観測に携わっている石須秀知学芸員は「梅雨の時季に広範囲でこれだけクリアに見えるのは珍しく、背景の山並みまで変化していたので驚いた」と評価した。


■Aは肉眼ではっきり
 春型蜃気楼のランクは、魚津市埋没林博物館の学芸員が同館に設置した3台のカメラ映像や外に出ての観察に基づき、5段階(A~E)で判断している。

 予備知識がない人や双眼鏡を持たない人の約半数が分かるものを中間の「C」とし、継続時間や鮮明さなどで上下する。肉眼ではっきり分かり、長時間にわたって複数方向に現れ、見ている人が満足するものを「A」としている。

 ランクはあくまでも観測上の目安で、初めて見る人にどの程度満足してもらえるかを基準にしている。「A」でも一日中鮮明に見えるわけではないという。

 春型蜃気楼は晴れて気温が上がり、北寄りの穏やかな風が吹く時に見られる。4、5月に最もよく観測され、寒暖の差が小さくなる梅雨ごろからは発生が少なくなるものの、過去には11月に確認されたこともある。

 30日は風向きや気温の高さなど一部の条件は合致したが、朝から気温が高かったため寒暖差は比較的小さかった。佐藤真樹学芸員補は「まだ研究の余地があるため、さらにデータを集めたい」と話した。

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