「能登國」のヘッドマークを付けた観光列車と、運行に立ち会った山川執事長(左)、髙島知客(右)=のと鉄道穴水駅

「能登國」のヘッドマークを付けた観光列車と、運行に立ち会った山川執事長(左)、髙島知客(右)=のと鉄道穴水駅

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のと鉄道列車に「能登國」

北國新聞(2018年7月3日)

 のと鉄道は2日、能登立国1300年を記念し、「能登國」の書のヘッドマークを付けた観光列車の運行を始めた。
 妙成寺と總持寺祖院が協力し、妙成寺の駒野日高貫首、總持寺祖院の鈴木永一監院(かんにん)老師の書をもとに、直径60センチのヘッドマークを作った。沿線住民や観光客らに能登の歴史を感じてもらう狙いがある。
 運行に立ち会った妙成寺の山川知則執事長は「3者の取り組みを契機に、能登に多くの人が訪れてほしい」、總持寺祖院の髙島弘成知客(しか)は「能登半島全体を考え、今後もつながりを大切にしたい」と話した。
 のと鉄道(穴水町)と誘客で協力する寺院や観光施設などで作る「能登立国1300年おもてなし委員会」は2日までに、立国1301年を迎える来年以降も活動を継続することを決めた。輪島市の曹洞(そうとう)宗大本山總持寺祖院が開創700年を迎える3年後の2021年をめどに大幅な誘客増の達成を目指し、新たな戦略を打ち出す考えだ。
 のと鉄道は今年、總持寺祖院と羽咋市の日蓮(にちれん)宗本山妙成寺の協力を仲介して特別御朱印を作り、両寺院を巡る観光客が増加した。同委員会では、能登立国1300円丼や、道の駅すずなり、道の駅あなみず、柳田植物公園、能登ワインなど協力施設の割引やプレゼント企画を売り込んだ。
 一定の効果が出たことから委員会は、1300年の今年だけで活動を終わらせることはもったいないと判断。「能登1300年夢物語(仮称)」のテーマのもとで引き続き、結束して能登の観光振興に取り組む。
 2019年は御朱印を扱う寺院を拡大するほか、總持寺祖院と妙成寺で貴重な寺宝展の開催などで誘客を図る。20年は、珠洲市で開催される奥能登国際芸術祭のPRを重点的に行う。
 21年は、開創700年を迎え、能登半島地震で損壊した建物の修復が完了する總持寺祖院を中心に据えた旅行企画などを検討する。
 のと鉄道の山崎研一ツアー誘客統括マネジャーは「北陸新幹線開業時のように、数年先を見越して1年ごとに旅行企画の目玉を作ることが大事」と話し、今後、詳細を詰めて旅行会社などに提案していく方針だ。

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