長岡市や観光関係者でつくる「越後長岡」観光振興委員会は7月から、タクシーを3時間貸し切りにして市内の名所を巡る観光タクシーを運行している。酒蔵巡りや良寛ゆかりの地探訪などの4コースを用意し、観光ガイドができる運転手が乗務する。2019年の大型観光キャンペーンに向け、魅力的なコース作りを進める狙いもある。同委員会は「車を使わないと行きにくい場所に足を延ばし、長岡を満喫してほしい」と呼び掛けている。
委員会は昨年まで、土日祝日限定で1人千円と手軽な観光乗り合いタクシーを運行していた。首都圏から新幹線で訪れる観光客が主な対象のため、JR長岡駅を午前10時すぎに出発し、午後2時前に駅に戻るといった時間の制約があった。
新たな観光タクシーは小型タクシーを使い、1台1万千円で4人まで乗車できる。貸し切りにすることで自由度を高めた。出発は午前9時~午後2時の間で選ぶことができ、平日も運行する。発着地は長岡駅だけでなく、蓬平温泉も選べるようにした。
コースは(1)酒造会社を2社ほど見学する「酒蔵巡り」(2)魚の市場通りなどに行く「海の寺泊」(3)与板地域、または和島地域の良寛ゆかりの地を訪れる「良寛巡り」(4)市郷土史料館などを回る「開府400年記念史料館巡り」-の四つ=表参照=。コースの組み替えにも応じる。
見学する酒蔵の銘柄や、長岡の偉人の功績などを運転手が紹介するのも特徴の一つだ。
19年10~12月にJRの大型観光企画「デスティネーションキャンペーン(DC)」が控え、新幹線から乗り換える2次交通の充実を図る目的もある。県外客をターゲットに、今秋までの運行期間中に200台の利用を目指す。利用状況を踏まえ、DCでのコース作りに生かす考えだ。
同委員会は「車を運転しない高齢者らが、来訪をためらっていたケースもあると思う。これまで行けなかった場所を訪れ、長岡を体感してほしい」としている。
利用は11月30日まで。乗車前日までに予約が必要。酒蔵巡りは10月31日まで(平日のみ)で、予約は乗車2日前まで。
申し込みは長岡市ハイヤー協会、0258(35)8181。