遠藤教授が講演で生態を紹介するオオアリクイの骨格標本を手にする戸隠地質化石博物館専門員

遠藤教授が講演で生態を紹介するオオアリクイの骨格標本を手にする戸隠地質化石博物館専門員

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戸隠地質化石博物館10周年 「遺体科学」提唱者講演など企画

信濃毎日新聞(2018年7月18日)

 長野市の戸隠地質化石博物館が、2008年7月26日にオープンしてから間もなく10周年を迎える。戸隠の地形の成り立ちを伝える展示を中心に、里山と人との関わりや、そこで見られる動植物なども幅広く紹介。人と自然とのつながりを考えてもらう取り組みを続けてきた。22日と28日に10周年を記念した講演会や化石の発掘体験などを企画。博物館に親しんでもらいながら、改めて博物館の今後の役割を見つめ直す。

 博物館は、市茶臼山自然史館と旧戸隠村の地質化石館が統合し、旧柵(しがらみ)小学校の校舎を生かして開館。地元で発掘された貝などの化石から一帯がかつて海だったことを解説し、隆起してきた地形の成り立ちを説明。周囲の里山について、燃料の木の伐採など人手が入らなくなったことによる植生の変化を紹介し、付近で見られる鳥や小動物の骨格の標本が並ぶ。

 明治期に県内で採取された鉱石の標本なども。田辺智隆学芸員は「展示品がごちゃ交ぜになっていて、えたいの知れないものが見つかる博物館をつくってきた。好奇心をくすぐられてファンも増えてきている」と手応えを話す。

 10周年記念では、22日は午後1時から、東京大の遠藤秀紀・総合研究博物館教授を招いた講演会を企画。遠藤さんは動物の死体を解剖し、標本にして次世代の研究に役立てる「遺体科学」の提唱者。「進化の謎を探る解剖学」の演題で、解剖を通して明らかになったオオアリクイの生態などについて話す。

 28日は、夏休み中の子どもたち向けに「夏まつり」を企画。化石の発掘体験、シカの角によるアクセサリー作りなどのブースを設ける。松本市出身の標本士、相川稔さん(東京)によるウサギの剥製作りの見学、博物館のボランティア団体「とがくしぼうけん団」の会員による昆虫飼育の相談、環境省戸隠自然保護官事務所(長野市戸隠)の前田久美子さんらによる管楽器のロビーコンサートもある。午前10時〜午後3時。

 入館料は小中学生50円、高校生100円、一般200円。土曜日のみ小中学生は無料。月曜休館。問い合わせは戸隠地質化石博物館(電話026・252・2228)へ。

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