ヨーロッパ軒総本店のソースカツ丼を食べながら、おいしさの理由を取材するクラスマンさん(中央)=福井県福井市順化1丁目

ヨーロッパ軒総本店のソースカツ丼を食べながら、おいしさの理由を取材するクラスマンさん(中央)=福井県福井市順化1丁目

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ソースカツ丼、外国人が絶賛 福井取材の女性「お米も絶品」

福井新聞(2018年7月20日)

 外国人として初めて福井県広報課に配属され、国内外に情報発信してきたニコール・クラスマンさん(24)=オーストラリア出身=が7月24日に2年間の勤務を終える。福井を離れる前に、外国人の目に映った県内の魅力や課題を聞いた。

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 この2年間、県内各地を取材に駆け回り、会員制交流サイト(SNS)のフェイスブックや写真共有アプリのインスタグラム、動画投稿サイトのユーチューブに定期的に投稿してきました。海外から「福井に行ってみたい」と反応があった時はうれしかった。大好きな福井のことを気に入ってくれたんだって。友達が福井に来てくれたし、外国人観光客も徐々に増えている。微力でしたけど、少しでもお役に立てたのなら良かったです。

 福井は自然が豊かで温かみにあふれています。美しい海と森、山がそろっていて空気もきれいです。17市町全て大好きですけど、中でも池田町が大のお気に入り。冬にツリーピクニックアドベンチャーいけだのジップラインを体験し、鳥になった気分で眺望できた幻想的な雪景色は表現できないほどきれいでした。

 海は古里のケアンズにもありますが、塩分濃度が高いのか、ちょっと濁っている感じがします。それに比べ、美浜町の水晶浜海水浴場は透明度が抜群。こんなにきれいな海があるんだと思いましたね。

 食べ物もおいしい。ソースカツ丼は、お肉の柔らかいジューシーなカツに甘酸っぱいソースがかかっていて最高です。お米も絶品。オーストラリアのお米はパサパサだけどコシヒカリはもちもち。この食感がいいんですよ。お魚の味も別格です。福井に来るまではお刺し身が苦手だったけどおいしさが全然違います。

 福井は第二の古里になりました。でも大好きだからこそ言いたいことがあります。福井の暮らしは車を運転できないとなかなか難しい。車での移動を前提にしたまちの構造になっている感じがします。地方としては珍しく鉄道がたくさんあり、路線バスのネットワークも維持されていますが、日中の本数が少なく不便です。車を運転できないので移動が難しいこともありました。

 今ある公共交通のダイヤの接続を良くして、県内各地をスムーズに移動できるようになるといいなと思います。福井に暮らす人にとって便利な公共交通は、県外の人や外国人にとっても使いやすいはずです。2023年春に北陸新幹線が敦賀まで開業すると、国内外から多くの観光客が訪れます。それまでに準備が必要です。

 8月から東京のウェブ制作会社に勤めます。福井を離れますが、日本を離れるわけではありません。県の友好大使として、これまでと同じく国内外の友達に福井の魅力をPRしたり、SNSなどで発信したりします。みんなを連れておすすめスポットを案内したいなとも思っています。 福井の皆さんはとても親切で優しく、いろんなことを教えてくれました。貴重な経験を財産に東京でも頑張ります。またお会いしましょう。

 ニコール・クラスマンさん 1993年10月、オーストラリア北東部のケアンズ出身。子どものころ日本のアニメに親しみを持ち、オーストラリアと違う文化に興味を持った。高校生の時、愛知県に留学し、メルボルンの大学時代も日本語を学んだ。大学卒業後に日本で仕事をしたいとの希望と、外国人の広報スタッフを募っていた福井県の思いが一致し、2016年8月、県広報課に配属された。

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 クラスマンさんが県内各地で取材し、企画編集した動画ページ(Experience_fukui)は、県広報課のホームページから見ることができる。

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