ユーモラスに野菜を描いた若冲の墨絵に見入る鑑賞者=金沢市の石川県立美術館

ユーモラスに野菜を描いた若冲の墨絵に見入る鑑賞者=金沢市の石川県立美術館

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来場5万人突破 「若冲と光瑤」展 石川県立美術館

北國新聞(2018年7月21日)

 金沢市の石川県立美術館で開かれている北國新聞創刊125周年記念「若冲(じゃくちゅう)と光瑤(こうよう)」(本社など主催)は20日、開幕以来の来場者が5万人を突破した。会期も残りわずかとなり、世界的なブームが続く江戸中期の天才絵師伊藤若冲の魅惑的な墨絵をこの目で確かめようと、展示室は終日、人波が絶えなかった。
 カボチャやナス、ダイコンにウリ...。京の錦市場で店を構える青物問屋の元主人だった若冲が、遊び心たっぷりに描いた墨絵「蔬(そ)菜(さい)図押絵貼屏風(ずおしえばりびょうぶ)」では、生命感に満ちた野菜たちが、見る人の心を捉えた。若冲のほか、若冲再評価の先駆けとなった南砺市福光出身の日本画家石崎光瑤が自然美を鮮烈に描いた「熱国妍(ねっこくけん)春(しゅん)」など傑作52点が並ぶ。訪れた人は冷房の効いた館内をじっくりと巡り、お気に入りの作品に見入った。
 5万人目となった稲沖(いなおき)龍一君(金沢市泉野小5年)は、終業式の後、母なる美さん、姉綾乃さん(泉丘高2年)と一緒に訪れ、嶋崎丞(すすむ)県立美術館長から図録2冊と若冲作品の色紙が贈られた。稲沖君は「夏休みがきたら、真っ先に若冲のゾウやクジラを見に来ようと楽しみにしていた」とうれしそうに話した。
 会期は22日までで、開場時間は午前9時半~午後6時。入場料は一般1200円、中高生800円、小学生600円となっている。

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