福井県坂井市の県児童科学館で7月21日、夏の企画展「こども宇宙博2018」が始まった。ソユーズ宇宙船(帰還カプセル)の実物大模型や船外活動用の宇宙服のレプリカをはじめ、ロケットや人工衛星の仕組みを分かりやすく解説するパネルなどを展示。親子連れらが大勢訪れ、宇宙への関心を高めていた。
県民衛星プロジェクトや2019年6月の宇宙技術および科学の国際シンポジウム福井大会の開催決定など、県内で宇宙科学への関心が高まる中、子どもたちに宇宙に親しむ機会を提供しようと、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の協力を受けて開いた。
五つのゾーンに分け、ロケットや人工衛星、宇宙の仕組みをパネルで解説。月・惑星探査機を紹介するゾーンでは、通信途絶などの苦境を乗り越え、小惑星のサンプル採取に世界で初めて成功した「はやぶさ」をはじめ、国産探査機の活躍ぶりを紹介している。
会場には日本の主力大型ロケット「H2Aロケット」や国際宇宙ステーションの精巧な模型22点を展示。今年6月に同ステーションから地球に戻った宇宙飛行士の金井宣茂さんも搭乗したソユーズ宇宙船の帰還カプセル(高さ2・1メートル、直径2・2メートル)の実物大模型は、計器類など内部も忠実に再現されており、注目を集めていた。
宇宙服のレプリカは、実際と同じ素材を使って再現されたもの。触ったり、ヘルメットの部分から顔を出したりすることもでき、親子連れらが記念撮影を楽しんでいた。本物の宇宙食や、高性能防音材など宇宙開発に関連する県内13企業・団体の技術も紹介している。
福井市の女児は「『はやぶさ』がすごいと思った。今まで宇宙のことはぜんぜん知らなかったけれど、とても興味が沸いた」と目を輝かせていた。
9月2日まで。入場無料。期間中、JAXA名誉教授の的川泰宣さんの特別講演(8月5日)やパラシュートを作る教室(同11日)もある。問い合わせは同館=電話0776(51)8000。