芝生の上に設置された越前焼の球状の椅子=福井県越前町小曽原の県陶芸館

芝生の上に設置された越前焼の球状の椅子=福井県越前町小曽原の県陶芸館

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越前焼に腰掛けて 越前町・陶芸公園 椅子12個設置

福井新聞(2018年7月27日)

 本物の焼き物に触れて楽しめる公園づくりを進めようと、福井県は越前町小曽原の越前陶芸公園や県陶芸館前に越前焼で制作した椅子を設置した。越前焼独特の土の風合いと自然釉(ゆう)が美しい逸品。今後、公園内で体感できるさまざまな仕組みを設け、越前焼のファンを増やしていく方針だ。

 越前陶芸村の公園内には以前、休憩スペースに木製の一人掛けの椅子があったが老朽化していた。県陶芸館や公園を指定管理するアクティオ(本社東京)が新調を企画。園内に越前焼のオブジェはあるものの、実際に触れて体感できる仕組みが少なかったことから、陶製の椅子に入れ替えていくことになった。

 県内の越前焼作家でつくる「ふくい『陶』ネットワーク」に制作を依頼。メンバー8人が昨夏から作業を進めてきた。石こうで巨大なお椀(わん)状の型を作り、その上で粘土をたたいて延ばしていく成形法を導入。直径約50センチのきれいな球状に仕上げた。

 14個を作り上げ、5月末に県工業技術センター窯業指導分所横にある薪窯「越前窯」で焼き上げた。2個は一部割れてしまったが、12個は無事完成。6月末に公園内で越前焼のタイルが敷かれたゾーンと、県陶芸館入り口付近の芝生の上に6個ずつ設置した。

 同館によると、座った人からは「実際に触れることで陶器の質感が分かる」と好評だという。球状で一見オブジェのようにも見えるため、休憩だけでなく新たな写真撮影のスポットとしても人気を集めそう。

 同館の小林一利副館長は「今回は公園内に触れる越前焼を増やす第1弾。これからさらに企画していきたい」と話す。今回の制作をリードした同ネットワークの日向光代表も「越前焼の面白い物が増えてもらえれば」と期待感を示した。

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