千曲市内のブドウ農家や酒店、市などでつくる「千曲市ワインぶどう研究会」などは26日、初めて造った赤ワインの試飲会を市内で開いた。同市桑原の試験畑で栽培したワイン用ブドウを材料に使用。計100人余が味を確かめ、「がつんとくる」「しっかりした味わい」などと感想を言い合いながら飲んだ。
研究会は2015年に発足。遊休農地活用や農業の担い手不足解消につなげようと、試験畑約25アールに赤ワイン用の品種「マルベック」を植え、昨年10月に300キロ余を収穫。東御市内のワイナリー(醸造所)に委託し、750ミリリットル入りで約240本を造った。
試飲会は、完成したワインの披露とPRを兼ねて開き、飲食店や酒販店などの関係者ら向けと、市民向けの2部で計50本を用意。参加者たちは、グラスに注いでもらったワインの香りを確かめた後、少量を口に含んで味わった。
上田市でワインを中心に取り扱う酒店を営む堀内俊弥さん(31)は「ブドウの木が若い割にはしっかりした味わい」と評価。「今後樹齢が増していけば、よりおいしいワインができる可能性がある」と期待した。
研究会代表の北沢文康さん(39)は「第一歩を踏み出せた」とし、千曲市内にはワインを手掛ける農園などもあることから「一緒になって千曲市産ワインを盛り上げていきたい」と話していた。ワインは市内の酒店2店舗で27日から限定発売する。1本2200円(税別)。